2017年4月30日日曜日

ボルダリングとコンペと中高年

今回は写真が少ないです、コンペに集中していたので自分では映していませんでした。

中高年にコンペは無理?
どのホームページも何故か中高年はコンペを諦めなさいと書いています。

それは変だと思いませんか、物凄く強い人でも中高年ならコンペは駄目?

御年74歳でリードコンペのミドルの部(ほとんの参加者はオンサイト11a、レッドポイント11cレベル)に出て善戦しておられる、快翁をオール神奈川のコンペで見たことがあります。

オリンピック予選も、ジムでやっている草コンペも、中高年ならコンペは全部駄目?

そんな事は無いです、僕は51歳の時にコンペに出て平均年齢が僕より25歳は若い人々を相手に、中の下ぐらいの順位には入っていました。
(海の家主催の草コンペで、なぜか参加者がベラボーに若かった)

その前は49歳の時にコンペに出て、高校生の倅に2位差で勝ちました(倅に勝てたのはこれが最後、もう勝てない)、28人エントリーしていて12位でした。
上位では無いですが、全く歯が立たない訳ではないです、十分に楽しめました。


    この端っこに居るのが僕です、当時49歳、ストーンマジックの草コンペにて

優勝できないのなら、出る意義がない?
勇ましい言葉も有りますが、それって2位以降の参加者に失礼だと思いませんか?
市民マラソンや市民駅伝で、タイム毎の人数を調べてみると、参加者数の最多値は真ん中あたりに集中しています。 上位はほんの一握りでした。

巌流島の決闘じゃあるまいし1位と2位が雌雄を決すだけでおしまいだと、そりゃスポーツじゃないですよ。

スポーツはやっぱり、「参加して、勝つために競い合う姿は美しい」だと思うのですが


コンペに出るかどうかは
自分のオンサイトのトップグレードで決めるとよいと思います、歳は関係ないです

大きいコンペだと、クラスをエキスパート、ミドル、ビギナーに分けています。ビギナークラスならばオンサイトで4級を登る事ができれば十分に遊べます。
「優勝できないのなら、出る意義がない」と言ってミドルクラス級の人がビギナークラスにエントリーする事が稀に有りますが、そりゃ弱い物いじめでスポーツではないと思います
(そういえば本当はフェザー級の力石がバンタム級の矢吹と闘かった漫画が有ったけ)

大きいコンペだとビギナークラスでも運営が豪華です、相模原のジムでNorth Face Cupを開催した時にビギナークラスも作ってくれたので、出た事が有ります。
ビギナークラスのコンペの審判長は平山ユージさんで、キッズクラスの審判長は木村理恵さん(タレントではなくクライマーの方)でした。

小さいコンペもそれなりに楽しいです、三浦海岸に有る海の家主催の「海とボルダリングとバーベキュー」がテーマのコンペに出た事が有ります。
手作り感満載で、みんな短パンか水着でした、クラス分けは無く男子も女子も、ビギナーもエキスパートも全員同じ予選でした。
次に登る人は、今登っている人のスポッターをするというローカルルールだったのですが、女性のスポッターをやると、水着のお尻が目の前に来るので、目のやり場に困りました。

ルールは
コンペによって違います。

クラス分けをしない小規模なコンペは課題のグレードごとに点数が付いていて、制限時間内に何点取れるかで予選をします。

コンペの規模が大きくなると予選は、ビギナー、ミドル、エキスパートにクラスを分けて進行します。
課題をクリアーすると点が入ります、点数は全課題同じ点数です。
完登できなくても、途中のホールドにサービスポイントを構えて有り、それに触れると点数がもらえることが有ります、サービスポイントを集めるだけでも結構点が溜まります。 

決勝はいずれも完登者が一人に成るまで課題を難しくしていく方式です。


予選は一度でも落ちたら終りと言うわけでは無いので、予選で闘っているうちに段々と上手くなる事があります


「勝つために競い合う」為には

まずオンサイト力を付ける事です。練習で毎回新しい課題を登る事は不可能なので、ともかく自分で考えて登る事を優先した方が良いです。
最初から攻略方を教わって登ると、確かに高いグレードを登れて上達が早いように感じますが、オンサイト力はチョット置き去りになります。
そもそもコンペでは、攻略方を教わるのは反則です

目で登る力を付けると、体力を節約できます。課題を目で追ってムーブを組み立てる事をオブザベーションと言います、コンペではとても重要です。
僕自身はオブザベーションが凄く下手です、「そんなものは登ってみないと解らん」なので体力をすぐに消耗してしまいます。

半日は予選で登り続けます、握力が尽きます、腕力も無くなります、筋力だけでなく持久力も問われます。 

練習で自分が登れるトップグレードより1つ低い課題を何度も登ってスタミナも付けると良いです。


 小規模コンペの場合
僕は自分のトップグレードを登ると、一発で体力を消耗するので(そこが中高年の悲しさ)、自分のトップグレードより1つ落とした課題から登り、その次に自分のトップグレード課題を登るようにしています。
体力が尽きたら、点数の低い低グレードを足技たよりで、チビチビと点数稼ぎします。1点違いで順位が1つ上がる事だって有る。

腕力が尽きた時に、足を多用するアルパイン風の登り方が重宝です、グレードは落ちるので点数は少ないですが数をこなす事で稼げます。

倅は違う戦術を取っていました、点数の高い課題をクリアーして、ドカンと得点する。
そうやって登る回数が少なくても点を稼いでいました。

規模の大きいコンペでは
僕は、まず自分の得意な課題を先にやって、体力の消耗を防ぎつつ点を稼いでいました、これは無理だと言うような課題は避けました。
しかる後に苦手な課題でボーナスポイントだけでも稼ぎます。

最後に
コンペの参加資格に年齢制限が掛かってるのを見た事が有りません、腕試しに出てみてはいかがでしょうか :-)

予選落ちすると、選手として競技し、決勝は観客として観戦できるので、2倍楽しめます

2017年4月22日土曜日

中高年とボルダリング

「中高年のボルダリング入門」と銘打ったサイトが有りますが、
何か違います、結局諦めなさいと言いたげなサイトをよく見かけます

僕は、定年退職が近いれっきとした中高年ですが普通にボルダリングをしています


 

そもそも、中高年の一言でくくっているのが怪しげです


中高年を分類してカテゴリー毎に説明します

カテゴリーAA 備長炭

若い時にボルダリングを初めて、今も燃えている人
燃え残りなどない真っ白い灰に成れるけど、ともかく火もちがいい

このタイプの人々に関しては、僕はナンも言えません。 むしろ「こっちが教えてください」です

2017年5月14日追記
今日見た国体予選を兼ねた大きいリードのコンペのミドルの部に 御年74歳のクライマーが出場しておりました。
予選落ちでしたが孫みたいなのを相手にそん色ない善戦をしておりました。
いやもう脱帽です、僕はまだまだ若輩です。



カテゴリーAB 転校生
ずっとアルパインで岩を登っていて、ボルダリングに転校した人
僕が知っているこのカテゴリーの人は皆さん※、フットホールドの立ち方が上手です、しっかりと足に体重が掛かっていて手はチョコンと持っているだけです。
でもホールドを取りに行くのによく苦戦します

※僕の経験なので、とても古い20世紀の記憶です、ひょっとしたら21世紀のアルパインは違うのかも知れないです

左下の絵をみてください、両足でしっかりと立っていて、腕はほとんど力が入っていません。 

右下の絵は、片手片足の2点で体重を支えています、上半身が左に出ていますが、片足を右に出してバランスを取っています。



僕の知っているアルパインの人(前世紀の人だけです)は、左は芸術的ですが右は苦手の人が多いです

ボルダリングは、たかだか1/10ピッチ程度なので、力を出し惜しみせず、もっと大胆でも大丈夫です。

カテゴリーBA アスリート

すっと何らかのスポーツをやっていて、ボルダリングを始めた人
僕の会社の先輩のテニスオジサンで58歳の「この歳でも、もっと強く成れる」と豪語した妖怪オジサンと、都内のクライミングジムに行った事があります。
やっぱり動きのキレがいいです

でも技が無い

ではどうやって技を身に着けましょうか

其の1、誰かに教えてもらう
よく上達する早道は、セッションが良いとの主張を目にします、でも僕はそれが唯一絶対ではないと思っています

日本にはクライミングのコーチはまだ存在しません、上手い選手が後輩に教えているレベルです。

残念ながら、教えてもらって直ぐに身に着ける能力は加齢とともに下がるそうです。 教え方を知っているコーチならばそれなりの教え方が出来るのでしょうが。
単に上手い人に教わると「なんで、こんな事ができないの!!」と言われるのがオチです。

ところで、攻略法を教わって登れたからと言って、本当に自分の実力で登ったと言えるのでしょうか、コンペで攻略法を教えてもらうのは反則になります。

教えてもらって、クリアーしたのって本当にオンサイト?

受験勉強で、真っ先に答えを見て、それから問題を解く事を繰り返す様なものではないでしょうか。


其の2、自分で考える

じっくりと考える能力は、年輪と共にますます強くなるそうです。

僕がボルダリングはいーなと思うのは、考える間が有る事です。 たいがいのスポーツは判断にコンマ秒のオーダを要求されるのですが、ボルダリングは秒のオーダが有ります。
しかも相手は岩のごとく不動なので、何回もやり直せます。

試行錯誤するときには、手足だけでなく腰の位置も変えてみると良いです、同じホールドを使っているのに何故か登れる人と、登れない人が居りますが、意外と腰の位置が違います。
腰の近くに重心が有ります、つまり重心の位置を工夫してみると言うことで。

ボルダリングの楽しみの一つに、謎解きも有ると思います。 
じっくりと岩と対話をするのは楽しいです。


其の3、弱者を相手にする
柔道の人で、「技を磨くには、自分より弱い相手との練習が良い」と言った人がいました(名前は忘れました、たしか昭和初期の鬼の何某と言う人です)。
確かに相手が強いと、必至になるので技の綺麗さまで心がまわる余裕がないです。

自分のトップグレードよりも1グレード落とた課題で、本に書いてあるムーブを試してみてはいかがでしょうか。

落ちても安全、痛くない、インドアクライミングでの練習をお勧めします、外岩だと「落ちると痛いから嫌だパワー」全開で登るので技を試すどころではないです。

ジムの壁に貼ってあるガムテープは気にせずに、色々と実験をしてみると良いと思います。


其の4、本を読む
僕が高校生の時は、学生のクライミングが禁止だったので、山岳部顧問にバレない様にコソーっと登っていました。
技術は本から学びました、バッツォことウォーレン・ハーディングの本は部員の間ではバイブルでした、ロイヤル・ロビンスではないです
プチ名人に教わるよりも、本の中の達人の方が確かな事を教えてくれます


カテゴリーBB チャレンジャー
スポーツ経験なし、ずっと家庭と仕事一筋。 ある日突然ボルダリングを始めたオジサン達です
僕はこの人こそ信のチャレンジャーだと思います。 

体形は
中年太り
心配いりません
僕は身長169.9Cmで体重81.5Kgです
多少不便な気はするのですが(= =;)、女房には「もっと痩せたら!!」と言れて居るのですが。

ボルダリングはアイソメトリックスな運動なので、残念ながらカロリーの消費は少ないです。ダイエット目的ならばエアロビック系の運動に軍配が上がります

痩せる為ならアルパインのクライミングが最強です、ただしリバウンドが凄い痩せ方です。

被った壁は、体幹部に凄く効きます、あとインナーマッスルも総動員です。

体力は
学校の体育の授業以来ずっとスポーツをしていない身です、さぞや筋力不足を感じているのでは。
クライミングの筋トレというとよく懸垂が出てきますが、実はさほどでも無いです。 
懸垂の様な登り方はどちらかと言うと腕ずくの下手な登り方です。上手い登り方は全身の筋肉を使います、地味な体幹部も全開です。


僕はジョギングを勧めします、ジョギングは全身の筋肉を使います。ジョギングでは負荷が軽すぎるので筋肉は付かないと言われていますが、それはレベルの問題だと思います。
宇宙から帰って来た人は、歩くことも大変なのが、日常生活をするだけで筋力が復帰します。

筋力が弱い人は、軽い負荷でもある程度までは筋力が上昇するのだそうです、何よりもジョギングをすると元気になります。
壁の前に立った時に、元気であることはすごく重要だと思います、ランニングではなくジョギングです、早歩きと大差ないぐらいのトコトコ走りで十分です。

まずは30年間眠り続けた筋肉を、眠りから起こす事から始めてはいかがでしょうか。

ボルダリングで鍛える
一番面白いと感じる課題は「あとチョットで登れるのに落ちる」程度の課題ですが、これを何度もトライしていると同じ筋肉ばかり酷使するので大変偏ります
ジムで過ごす時間の半分は「あとチョットで登れるのに」に挑戦して、後半は1グレード落としてサーキットトレーニング的に何度も、登っては降りてを繰り返す方法も有ります。

あえて、筋トレを一つだけやるとすると

即効性が有るのは指です、強い指は役に立ちます。
ただ指を鍛えると、結婚指輪が入らなくなりますので覚悟してください

四十肩に注意   
四十肩で登ると間違いなく悪化します、痛いときは控えた方が良いです
痛みが消えてから、再開すると良いです。

肩が痛いときにボルダリングをすると悪化しますが、ボルダリングをして肩が痛くなった事は不思議と無いです。

僕は
だいぶ昔に転校したカテゴリーABです、定年退職が近い、れっきとした中高年です。

中高年は体力が無いと決めきっている人がいますが、ボルダリングをフツーにやっていると、下の写真ぐらいには腕が太くなります。

↓これ私です




ただ、体幹部を使うわりには何故かウエストが細くならないです、倅はやたらと細いのですが

↓これ倅


お腹まわりは、やっぱり若者には勝てないです、ウエストは食べ物の方が影響力が有るのかも知れません。

つまり、太くなる所は太くなるけど。 細くなって欲しいところは細くならないです


2017年4月8日土曜日

インドアとアウトドアのボルダリング

インドアのボルダリングを楽しむ若者が増えて来たようです、職場の若者は「ボルダリングはインドアでやるもの」と思っています。

この前、インドアのボルダリングだけを、ずっとやっている菊チャンと一緒に御岳渓谷へボルダリングに行きました、 楽しんでくれたようです。

 インドアのボルダリングだけやっている人にとって、アウトドアのボルダリングを始めるのは気持ちの敷居が高いようです。
インドアである程度の実力がついてからアウトドアと言うのがが普通になりつつ有りますが、いきなりアウトドアでも問題ありません、僕も倅も、ボルダリングはアウトドアが最初です。

僕がボルダリングを始めた時は外岩だけで、マットは無く、いきなり地べたにドサッと落下でした。
でも2m程度の墜落なので、安心してできるクライミングのトレーニングという位置づけでした

アウトドアは、怖くも、危なくも無いですよー」と言うことでインドアとアウトドアのボルダリングの違いを書いてみました


天井が無い

当然のことながら、アウトドアのボルダリングは天井が有りません
僕の平日は、室内の職場でディスプレイばかり見ているので、この開放感が大好きです。


ただ天から物が降ってくるのが難点です、前日雨が降ると、まず午前中は濡れて登れません。
ドカ雪がふると春待ちになります、台風一過だと波にさらわれます、朝は夜露に濡れてビショビショの時もあります。

yahooのお天気サイトなどでこれから行くところの天気を調べておくと良いと思います。

マットが薄くて、小さい

ジムには床一面分厚いマットを敷いていますが、屋外だと持ち運べるだけのマットしかありません。
写真の緑色のシートは人工芝です、靴の砂を落とすのに使っています

でも、どーって事はないです、 だいたいボルダリングは飛び降りる事ができる高さが前提なので「ドッサ、イテテッ」ぐらいで済みます。

マットは少し岩から離しておくと良いと思います、落ちた時足が着地するのは岩から離れたところがほとんどです。

クラッシュパッドは衝撃を吸収する為ではなく、足元を平にする 為のものだと思った方が良いです。
切り株や、石を覆ってください。石などが出っ張りすぎる場合はクラッシュパッドの下にスニーカを置いておくと良いです。
補助のマットとしてお風呂マットなどを持っていくと重宝します。

 
着地の時に足を柔らかく曲げるのがコツです、身を固くしてビタンと落ちるとチトキビシイです。
「わざところんでショックを分散させましょう」と書いているブログが有りますが、僕はあまりお勧めできません。
 なぜならば転ぶとマットからはみ出す事が有るからです。石がゴロゴロしている所で、はみ出すと星を見ることになります

石ころがゴロゴロ


フットホールドが小さい
インドアでは、べニア板にホールドを付けるので足は楽です、アウトドアでは小さかったり、ほとんどシワみたいな所に足をのせます。





でも心配ご無用、クライミングシューズは、岩への吸い付きがよく、細いつま先はカチッときまります

岩にポンと置いただけで落ちないクライミングシューズ

最初は靴がどれだけ耐えられるかわからないので、腕に頼った登りかたになり、すぐパンプしたりしますが。 やってみるとすぐに慣れます。

頼りないフットホールドですが、ホールドはどれを使ってもいいので、ホールドを探す楽しさが有ります、案外フットホールドの数はインドアよりも多い(岩のシワの数だけ有る)事があります。

高さ60cmぐらいの石を使ってノーハンドをやると感がつかめます

極意はどれだけ小さいフットホールドにのれるかを見切ることです


テープを張っていない

 ホールドにはテープを張っていません、自分で探します。
チョークが付いている場合もありますが、それが正しいとは限りません。
 

ムーブを組み立てる為にホールドを探すのも、アウトドア(生岩とか外岩とか言う人もいます)の楽しみの一つです。

凄く小さいけれども頼りになるホールドが見つかる場合もあります


良く3点確保をすると、1点が外れてものこり2点で支えるから大丈夫と聞きますが、実際には1点外れで落ちます。

むしろ3点確保は、体重を3点に分散する技術だと僕は思っています。

フィニュッシュは

岩の上に立ってフィニッシュです、ジムではまずやらないマントリングが重要になります

自然が有る
都会の疲れを癒してくれます。



僕は、ドライブの時にもクライミングシューズを持って行って、いい岩が有ったら登ってみます
クラッシュパッド無し、チョーク無し、トポ無し、のシンプルな物です

ドライブをした出先にて、クライミングシューズが無いので、スニーカで登る息子
 

ちなみに、上の写真はスポッターも無しです、スポッターをすべきお父さんはこの写真を撮っていました

 これもドライブ先で、クラッシュパッド無しです
 
 この写真もスポッターも無しです、スポッターをすべきお父さんはこの写真を撮っていました


一人ボッチのボルダリング
よくボルダリングは仲間とやると上達が早いと聞きます、また上級者が同行すると上達するとも聞きます。
僕はチョットそれは違うと思います。アウトドアのボルダリングはホールドを探す事が重量な要素になります、教えてもらうと言うことは、その答えを最初から教えてもらう事になります。
外岩は一つとして同じ岩は有りません、ムーブを教えてもらって登れたからと言って、ホールドを探す目が無ければ、同じグレードの他の岩を自力で登れるとは限らないと思います。

同じグレードを登っても、その意味は違うのではないでしょうか。

僕は、むしろ一人の方が、じっくりと岩と会話ができるので好きです。

外岩は、岩との会話が有る

中高年は
「中高年はせいぜいスラブを登るぐらいにしなさい」 とか「コンペは無理です」とか、主張する方がいらっしゃいますが、そんな事は無いです。
 僕はフツーに何でも登っています。 だいたいこれはスラブをバカにした言い方です、スラブは奥が深いです。
僕は51歳で草コンペに出て、25歳は年下相手にタメ張って、中の下ぐらいの順位には入りました。
その前に出たコンペでは36歳若い息子にも(何とかやっと)勝ちました。
息子14位、僕12位です、次やったらもう勝てないです。

中高年は梶原一騎の原作漫画(巨人の星、明日のジョー、空手バカ一代)を読んで育った世代なので「燃えカスなどない真っ白い灰」の世界を知っている世代です。

話は変わりますが、三浦半島は鷹取山にいた爺さんは御年72歳で、まるでマシラのごとく軽やかに登っていました

危険性について
下の写真は、被っているし、すぐ後ろに岩が有ってクラッシュパッドが使えないし、「落ちたらどーしよう」と考えながら登っていました


 よくアウトドアは危ないと言う方がいらっしゃいますが、僕はどーって事無いと思います。

僕は38年近くボルダリングをしていますが、治るのに3週間以上かかった怪我は2回3回(またやってしまった)だけです。
背筋の肉離れと、足首の捻挫。いずれも病院へは行かずに完治しました

 これはフツーに長年スポーツをやっていれば、フツーに起こる頻度だと思います。僕の職場にいたサッカー(超バカ)オジサンの方が、試合の翌日に怪我を我慢しつつ出社する回数が多かったです。

息子は18年近く登っていますが、まだ擦り傷以上の怪我をした事がありません。

あとボルダリングの事故で救急車で搬送された人を一人も見た事が有りません。

たまたま運が良かっただけかもしれませんが、38年間です、落ちた回数も数え切れません。
事故になる可能性は皆無では無いけれども、ともかく確率は極めて低いと思います。

ヒールフックを使うときはスポッターが居ると良いです、ヒールフックでスポッター無しだと背中から落ちるので痛いです

 「落ちたらどーしよう」と考えながら登っていて落ちたときは不思議と痛い目には合わないです。
これは心構えができているので、落ちたときに体が対応するからだと思います。

つまる「ビビッているのではなく、リカバリープランを考えている」と言うことになります。


臆病と用心深いは別だし、無謀と勇気も別ものだと思っています。

この度、深層学習のライブラリーを作成しました、ホームページはこちらです

2017年4月2日日曜日

ボルダリングと子供

子供とクライミングについてです、僕は指導者では無いので大勢の子供に教えた訳ではありません、自分の子供での経験から書きました

クライミングは何歳から?

ジャングルジムを登れる様になれば、何歳からでも良いと思います。
昔のアルバムを見ていると、僕の倅は5歳で小川山をトップロープで登っていました、たしかその頃はモンベルの店内に有るインドアクライミング5.8級を笑いながら登っていました。

ボルダリングよりもロープクライミングの方が怖がらなかったと記憶しています

 これは丹沢戸沢公園です、歳は5歳のころ
 

技は特に教える事もなく、壁で遊んでいると自然に形になります、上の写真でキョン足を使っていますが、教えた訳ではないです。
ある程度のレベルまでは遊びの延長でも十分で、なーんも考えていなくても自然に体が覚える様です 。
 
ただコンペで上位に上がるにはやっぱり良い先生が必要な様で、全部我流だとビギナークラスの真ん中ぐらいの順位がせいぜいです。

ちなみに僕の倅は今就活中の歳になっているのですが、自分がボルダリングで使っている技がなんという名前か全く知らず、なーんも考えずに登っています。


ボルダリングを始める前に
ボルダリングを始める前にまず高さを怖がらない様になっている事が必携です、 僕の倅は高さを全く怖がらない子供でした。 

たぶん幼児の頃から肩車をよくやっていた為かと思っています、僕の肩の上でジタバタ暴れていました。 倅を肩に乗せて、ダッシュや急カーブを切っていました。
あと公園の遊具もよく登っていました、滑り台の逆行など体つくりにはとても良いです

ロープクライミングも、特に年齢制限はないと思います、ロープで確保している分、かえって安心感が有ります。
登る方は全くの未経験でも問題ありません、経験が必要なのはビレイヤーの方です。
ボルダリングが上手くなってから、ロープクライミングというルールは無いです、どっちが先でも良いと思います

倅は、外岩のトップロープ→外岩のボルダリング→インドアのボルダリングの順でやって来ました。
インドアのボルダリングは入門ではなく、行き着いた先でした。

これも丹沢の戸沢公園、6歳の時



ロープクライミングで怖がらないかは、いかにお父さんを信頼しているかだと思います。
  
危険は
幼児の場合体重が軽いので、外岩でもスポッターが受け止める事ができるので、問題ないです。
大人の場合スポッターの仕事は、落ちた時に足から着地させるのが仕事ですが、小さい子供の場合軽いので受け止めてあげてください。 腰あたりの、ほとんど触れるばかりの位置に手をおいて構えると良いです。
 腰だと重心に近いし、骨盤があるので掴みやすいです。

小さい子供は頭がデカいので、ひっくり返らない様に必ずスポッターを付けてください。 
小学校高学年ぐらいならば、勝手に落ちろ状態です。

ただしあまりスポッターを信頼しすぎると、いきなり「降りる」といってポーンと手を離すので気を付けてください、これを受け止めると、かなり腰にきます、スポッターの方が痛いです、もうその日はお父さん登れません、翌日の通勤が辛いです。

よくボルダリングをやると指が変形すると心配される方がいらっしゃいますが、それはプロクライマーレベルの話だと思います。
息子は、ほぼ週に1回ペースでジムか外岩を登っていたのですが、地元楽器店のピアノコンペの一次予選を通過するぐらいには指が動いていました。
ピアノコンペの二次予選通過を目指すのでしたら、ボルダリングは控えた方がよいです、本人によるとやっぱり登った当日はピアノが弾きにくかったそうです。

子供で一番怖かったのは、登っている真下を子供がチョロチョロ歩き回る事でした。上から大人が降ってくる事はあまり念頭に無いみたいです。
登っている真下をチョロチョロしているお子さんを、ジムのスタッフが注意したら逆切れして「感じの悪いジムだ」とネットに書き込みする親御さんがいらっしゃいます、でもこれは凄く危ない事でして、幹線道路のど真ん中で遊んでいる様なものです

親御さんが登っている間はだれか他の人が気を付けてください。

水辺の場合、同じく親御さんが登っている間はだれか他の人が、水にハマらない様に気を付けてあげて下さい、 渓谷は冷たく急流で、土佐は荒波です。


ビレイがしっかりしていれば、外岩でも問題ありません。

7歳の時、鷹取山

右手、右足に体重が掛かっていますが、頭と腰で体重を左右に振り分けることで体が回ることを防いでいます。

子供には、なーんにも教えていないのですが、遊んでいるうちに、こう言う芸当も自然に覚える様です。

お頭は
高い所から何度も落ちると、脳がゆすられてよくないと言う人がいますが。僕の倅はいつもジムのボルダリング壁の最上段から飛び降りていましたが、一応は東海大学工学部に現役で入るぐらいの(つまり普通の)学力は有りました。
だだし、3年生の時に4単位たらずで留年するぐらいのバカにはなります。
まー、心配する 程でもないと思います。
 ボルダリングをやると、思考力と決断力が付くとの宣伝が有りますが、ボルダリングの為の思考力と決断力が付いただけでした。 
 いざ成人してみると、頭の出来にはあまり関係は無かったです


ジムは
狭いジムや混んでるジムは避けた方が無難です、幼児でも大丈夫かどうかを、お父さんが威力偵察をしておいた方がよいです。

相模原のストーンマジックは、店内に滑り台など置いてあって、いかにもお子様歓迎で安心です。
広いので、少しぐらいならドタバタ走り回れます。

 ストーンマジック店内の遊具


道具は
クライミングシューズは、中学校まで使っていませんでした、値段は高いし、すぐに大きくなるし。
小学校までは体育館シューズで登っていました。
インドアクライミングは足元が甘いので体育館シューズで十分でした。
チョークバックも不要です、倅の誕生日に買ってあげたチョークバックはPSPを入れるのに使っています。

ただしコンペを目指すならば、シューズを買ってあげて、足技も教えてあげた方がよいです。

11歳の時、ストーンマジックにて体育館シューズで登っています



キッズコンペは
大人でも苦労する課題を、軽々と登れる様になり

キッズコンペに挑戦、となった時

盲点が有ります

親子でジムに行きます、親子で同じ課題を登ると、子供にとっては遠くに有る大きいホールドを使う事になります。
フットホールドとハンドホールドの距離は長いです。

静的なムーブでは難しく、ランジやデットポイントを多用する様になります、小学校の時の倅はオラウータン見たいな登り方でした。

ところがキッズコンペでは子供用にチューニングしたサイズの課題で競い合います。
ムーブが出来てないと大変苦戦します、スクールに通っているお子さんか、ムーブにうるさい親御さんのお子さんでないととても苦戦します。
 
順位が上がらず、気落ちしない様にフォローしてあげてください、「普段は子供用ではなく、大人が登る課題を登っている」のだと。

音楽の話ですが、子供のバイオリンは子供用サイズで練習するが、ピアノは最初から普通サイズで練習するのだそうです。
例えば普段から普通のピアノで練習していて、いきなりコンペで小さいピアノに向かって、さあ弾けと言われても、そりゃ無理でしょう。

成長は
子供は身軽なので、軽やかなデットポイントを多用した登りを見せてくれます、ランジも上手いです。

ただし大人の体になる中学生あたりから、それまでのムーブができず苦戦し始めました。
大人の登りへの切り替えがスランプの第一歩かも知れません。

あと早期に始めたからと言って、天才クライマーになる訳ではないです。あまり深期待せずに、遊ばせてあげれば良いと思います。

ただ、背中はやたらと筋肉質の子供になります、 特に体育系部活はやっていなくても、スイミングクラブにずっと通っていた子供とタメをはります。

湘南にて、たしか中学1年



星一徹達へ
倅にムーブを教えようとした事があったのですが「お父さん、フリーって自由て意味だよ」と逆に教えられました。
 少なくとも小学生の間は、好き勝手で良いと僕は思います、子供に一番大切なのは楽しい事なのでは。

ボルダリングって楽しいと思ってくれたら「しめたっ!!!」です。

ただし、スクールで修行しているお子さんを見ていると、小学生でもキレイな登り方をしています。 小学校の時の僕の倅はオランウータンみたいな登り方でした。
 ひょっとすると、僕が間違っているのかもしれません(= =;)

そして子供は強くなります

一番上の写真の子供もこの写真の様な若造になります、髭も生やします、人相が悪くなります、笑わなくなります。



そして何よりも、父親より強くなります


嬉しいような、悔しいような。

昔話
40年前は、高校生でも「クライミングはまだ早い」と言われていました、たっぷりと縦走登山をやって、たっぷりとテントで野宿して、たっぷりと雪山ラッセルした後で、その次段階で学ぶものだと山岳指導員様が力説していました。
 今なら、笑えますよね。  ちょっとだけ人生を無駄にした感が有ります。